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塚崎 雅之 Masayuki Tsukasaki

昭和大学歯学部口腔生化学講座 教授

昭和大学歯学部口腔生化学講座は、須田 立雄 初代教授(昭和大学名誉教授・日本学士院会員・文化功労者)のもと、昭和52年4月に開講致しました。その後平成13年に上條 竜太郎 先生が第二代教授に就任し、令和6年10月より私が第三代教授として講座を継承いたしました。当講座は、ビタミンDと骨代謝の研究、破骨細胞分化因子RANKLのクローニング、破骨細胞分化抑制因子の同定などにより世界をリードし、現在の骨代謝学や硬組織生化学を率いる多くの人材を輩出してきた伝統を誇る教室です。私自身、須田 立雄 先生の特別講義に魅せられサイエンスの世界へと導かれ、学部時代には上條教室で研究をご指導頂きました。本講座の歴史と業績に恥じぬよう、教育・研究に全力を尽くす所存でございます。

私は大学卒業後、骨免疫学の世界的パイオニアである高柳 広 先生に師事し、東京大学医学部免疫学講座・骨免疫学寄付講座にて大学院生、ポスドク、助教、准教授とキャリアを積んで参りました。高柳研で過ごした10年は、私の研究者としての根幹を形成した豊穣な学びの期間でしたが、最も重要な学びは高柳先生の「志」に触れたことだと思っています。何事も妥協せず徹底的に完璧主義を貫くこと。独自性の高い研究から新たな概念を生み出し、異分野にも訴えかけるような論文を書くこと(特殊から普遍を示すこと)。私なりの勝手な解釈ですが、この志を胸に新しい時代のサイエンスを切り拓いてゆきたいと思っています。

研究室の方針としては、私の得意とする骨代謝学・骨免疫学と口腔科学を軸に、腫瘍、神経、血管、多臓器連関など広くテーマを展開し、最先端のマルチオミクス解析、ビッグデータ解析、バイオインフォマティクス技術などを取り入れつつも、分子メカニズム解明と遺伝子改変マウスを用いた生体レベルでの証明にこだわり、夢のある大きな仕事を目指します。私が提唱した間質細胞による抗がん効果(Nature, 2024)の発展型研究だけでなく、動脈硬化・血管石灰化のメカニズムに関する研究、組織マクロファージ(ミクログリア、破骨細胞、肺胞マクロファージ、クッパー細胞など)を共通して制御する新規遺伝子に関する研究、頭蓋骨と脳の連関に関する研究など、新しいプロジェクトを立ち上げています。

研究を有機的に進めるために、国内外の異分野の研究者との交流を積極的に進めたいと考えています。研究室も医歯薬学部の出身にこだわらず、企業研究者や、理学、工学、農学、情報科学など異なるバックグラウンドを持つ仲間を歓迎します。私たちの研究に興味のある方は、是非お気軽にご連絡ください。共同研究も歓迎いたします。